私は30代前半の頃は立ち仕事、30代後半はデスクワークがメインの仕事をして過ごしていました。
その頃は毎日朝起きたとき、仕事の途中、あるいは仕事が終わったあと
「腰が痛い・・」
とつぶやき、お風呂あがりにドラックストアで購入した湿布薬を貼って寝るという生活を続けていました。
ところが、ある日知り合いの理学療法士の先生に、湿布で腰痛が改善しない場合の対処法を教えてもらい試してみると、1ヶ月もすると腰痛をほぼ感じなくなる体験をしました。
私は腰痛になると、とりあえず湿布でも貼っておけば良いと考えていました。
今回の体験で腰痛の種類を知り、種類に応じた対処が必要であるということを学びました。
そこで、私が学んだ腰痛になったときの湿布の有効な利用法と湿布で改善しない場合の対処法について書いていきます。
ちなみに「私の腰痛の症状が改善した」というだけなので、そこはご注意ください。
個人差もありますし、すべての腰痛や、肩や首の痛みなどが改善するわけでもないと思います。
腰痛は大きく2つに大別できる
高齢者のみならず20代、30代でも「腰痛」を訴える人が多くなっています。
平成28年国民生活基礎調査によると、日本人が抱える自覚症状で最も多いのが腰痛であるとの結果があります。
しかし腰痛といっても、その種類は多岐にわたり、それぞれに対処法も異なります。
腰痛は、「ときに手術が必要で、原因を特定できる腰痛」と「手術が不要で、原因を特定しづらい腰痛」の2つに大別されます。
目次
ときに手術が必要で、原因を特定できる腰痛
全腰痛の15%程度を占めると考えられています。
腰椎圧迫骨折、脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛などがあります。
手術が不要で、原因を特定しづらい腰痛
全腰痛の85%程度を占めると考えられています。
筋性腰痛、椎間板性腰痛、椎間関節性腰痛、仙腸関節性腰痛などがあります。
般的に腰痛というときは、手術が不要な後者のことを指します。
腰痛になった場合、以前は安静がよいとされてきました。
しかし、最近では動ける範囲で動いたほうがよいとされています。
動かないと腰の周りの筋肉が弱くなってしまい、より腰に負担がかかったり、神経が過敏になり痛みを感じやすくなったりするからです。
ただ、ぎっくり腰など急に激しい痛みが起こった場合には、動くのは良くありません。
また、動くのもつらいと思いますので、なるべく普段の生活を送るようにしましょう。
痛む場所に炎症や痛みを抑える湿布を貼ったりするのも効果的です。
3ヶ月以上痛みが続く慢性的な腰痛の場合は、運動をすると痛みなどの改善効果が認められています。
つまり、慢性的な腰痛の場合は、漫然と湿布のみ貼り続けても痛みなどの症状の改善は期待できないのです。
湿布はどのような場合に使用すればいいのか?
筋肉痛、関節痛、捻挫が起こったときに湿布を利用する人は多いと思います。
病院で処方されたり、あるいはドラッグストアでも多くの湿布が販売されており、湿布は誰にとっても身近な存在です。
腰痛を感じたときに湿布をどのように使用すれば効果的なのかまとめました。
ぎっくり腰など急に痛みが生じた場合
水分を含んでおり、蒸発するときに冷却する効果のあるパップ剤といわれる湿布を使用しましょう。
冷やすのがいいのか、温めるのがいいのか、どちらかといえば温めるほうがいいとはいわれていますが、湿布を貼ると気持ちがいい、痛みがやわらぐと感じるなら、冷感タイプあるいは温感タイプのうち好きな湿布を選びましょう。
1ヶ月以上続く腰痛
水分を含まず、痛み止めの成分が含まれているテープ剤を使用しましょう。
痛みが何カ月も続いていて湿布薬で改善が見られないのであれば、違う方法を試すことをお奨めします。
慢性腰痛には運動療法が効果的であると認められているからです。
ただし、痛みが我慢できない時や、仕事で一時的に痛みを止めたい時などにはテープ剤を使用しましょう。
湿布にはどのような種類があるのか?
湿布には様々な種類があります。
冷たく感じる湿布もあれば温かく感じる湿布もあります。
また、白いものもあれば肌色の薄いものもあります。
それぞれの湿布の特徴についてまとめました。
パップ剤
白く厚い湿布がパップ剤です。
パップ剤の特徴は、医薬成分の他に水分を多く含んでいる点にあります。
水分が蒸発することによって、患部の熱を下げる効果があります。
ただし、包帯やネットなどで抑えていないとはがれてしまいます。
また、水分が蒸発していくと時間とともに効果が低下したり、湿布が固くなってしまうため、こまめな交換が必要です。
・ はがれにくくするための工夫
はがれにくくするために貼り方を工夫してみましょう。
1.フィルム側を手前にして3つ折りにする。
2.左右に引っ張り、フィルムを浮かせる。
3.フィルムを折り目のところまではがす。
4.そのまま腰に貼り、左右のフィルムを腰にそってゆっくりはがしながら貼る。
テープ剤
薄く肌色の湿布がテープ剤です。
四角で貼りやすい形になっており、よく動く関節や筋肉に貼ってもはがれにくくなっています。
テープ剤に含まれている成分には、インドメタシンやジクロフェナクなどの鎮痛効果が高い成分が含まれています。
はがれにくい反面、はがすときに皮膚を傷めたり、長時間の使用によって皮膚にかゆみやかぶれなどを引き起こすことがあります。
冷感湿布
メントールなどを含むため冷たく感じますが、実際の冷却効果はそれほど高くありません。
炎症が起こったときには発症して7日間程度までの段階で使用されますが、氷のうやアイスパックを用いた通常のアイシングのほうが冷却効果は高いです。
冷やすと気持ちの良い痛みに使用されます。
温感湿布
トウガラシエキスを含むため温かく感じますが、皮膚温度の上昇はわずかであり、温熱効果はそれほど高くありません。
患部を温めるという目的であれば、ホットパックや蒸しタオルなどを用いるほうがより効果的です。
温めると気持ちの良い痛みに使用されます。
冷感湿布、温感湿布ともに効果はあまり変わらないので、どちらを気持ち良く感じるかで選べば良いでしょう。
湿布を貼るとき、はがすときの注意点は?
貼るときの注意点
・ お風呂あがりや汗で濡れているときははがれやすくなるので、汗がおさまってから、あるいは汗を拭いてから貼る。
・ 湿疹や発疹がある部位には使用しない。
・ 横に引っ張りすぎない
・ 湿布薬に触れた手で、目、鼻、口などの粘膜を触らない
・ かゆみ、かぶれなどが現れた場合には使用を中止する
はがすときの注意点
・ 周りの皮膚を手で押さえて皮膚に沿ってゆっくりはがす
・ 体毛の流れに沿ってはがす
・ 垂直方向にはがさない
・ はがしにくい場合には角を丸めながらはがす
・ はがしたあとは時間をあけて皮膚を休ませる
湿布を貼り続けても効果がないときは?
湿布には痛みを和らげる効果こそ期待できるものの、腰痛を治すような効果は期待できません。
腰痛の再発を防止するのが目的であれば、運動やストレッチも効果的です。
では、どのような運動やストレッチをおこなうと、腰痛の再発を防止できるのでしょうか。
運動
腰痛を予防する運動としては、ウォーキングや水泳といった有酸素運動があげられます。
筋肉に対して軽度から中等度の負担をかけて血行を促進することで、腰の筋肉の緊張を和らげるが期待できます。
最近は新型コロナウイルスの影響で在宅ワークをされる人も増えていると思いますが、それによって運動不足状態に陥り、腰痛を発症するような人も増えています。
普段から適度に身体を動かすと、腰痛を発症するリスクを下がります。
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ストレッチ
腰痛の多くは腰だけでなく、臀部や股関節周りの筋肉の緊張によって起こります。
そのため、臀部や股関節のストレッチや筋膜リリースや腰痛体操を行うと、腰痛の再発を防止する効果が期待できます。
私の場合、この臀部や股関節のストレッチを1ヶ月ほど続けた結果、腰痛を感じる回数がほとんどなくなりました。
腰痛の痛みがあると、湿布で対処することもあると思います。
ただ、湿布はあくまでも痛みや炎症を抑えるものであり、根本的に腰痛を治すためのものではありません。
運動やストレッチには、腰痛の再発を予防する効果が期待できるのです。
参考資料:
腰痛診療ガイドライン2019 監修日本整形外科学会/日本腰痛学会
鎮痛薬、湿布薬の使い分け レジデントノート(10)1028-1033 2008.
新・職場の腰痛対策マニュアル2010 労災疾病等医学研究普及サイト
腰痛 日本整形外科学会