目次
「腰痛あるけど、筋トレをしたい」って考えたことを一度はありませんか?
腰痛持ちで、チームプレーでみんなに合わせて運動するサッカーや野球はできないけれど
筋トレで体重キープや健康状態をキープしたいと考えるのは、健康な人生を送りたいと思っている方であれば、当然のことだと思います。
とはいえ、腰痛持ちだけど実際にどのくらいの運動の筋トレをしていいかなんて・・・と考え悩みこむ人は多いと思っています。
しかし、腰痛の人ほど適切な筋トレが必要です。そんな人程、トレーナーも付けずに腰痛のための筋トレの方法なんて・・・と悩んでしまいますよね。
そんなあなたのために、今回は腰痛持ちでも安全に行える筋トレ方法を考えてみました。
筋トレのやり方に困っている人・腰痛だから体を動かすのが不安と思っている人は、ぜひ読みすすめてみてください。
それでは、腰痛でも筋トレが必要だといえる知識を交えながら筋トレの方法をご紹介させていただきますね。
腰痛とマッスルインバランス
マッスルインバランスとは、筋の不均衡な状態のことです。具体的にいいますと、筋肉や骨による疼痛によって、筋支配の神経抑制や神経促進の筋の緊張又短縮で生じる正常な筋機能を活動できていない状態を指しています。
腰痛持ちと腰痛がない人の筋肉の活動では、筋肉が収縮するまでにほんの数秒の違いがみられています。
これは腰痛という痛みによって、筋肉の収縮の仕方が変わっているからです。
一見、マッスルインバランスは腰痛と無関係と思われがちですが、腰痛という痛みを避けようとして筋が過剰に収縮又短縮することなんて多くみられています。
マッスルインバランスを改善するには・・・
改善していくには、コアスタビリティという考え方が重要になってきます。
腰痛の人は、マッスルインバランスの状態になっているのがほとんどです。
ならば、腰痛で起こっているマッスルインバランスを改善する必要があります。そのマッスルインバランスを改善するために、コアスタビリティが必要なのです。
そもそもコアスタビリティとは
コアスタビリティとは、身体の中心部の筋肉のことを指しています。コアである中心部が安定していれば、身体を動かしたときの運動パフォーマスが効率的に行うことができます。
身体の中心とは、いわば体幹のこととも捉えることが多いです。スポーツでも体幹の筋トレが一番重要といわれています。
アスリートの人ほど、コアスタビリティである体幹筋を何回も鍛えています。
それは、コアスタビティによって中心部が安定していれば無駄な力を入れることなく動作が行えるからです。もっと簡単にいえば、身体の力を最小限抜いた状態で身体を動かすことができます。
最小限力を抜いた状態で動作を行える環境を整えていれば、腰周囲に無駄な力を入れることが減るので、腰痛持ちには必要な要素になるでしょう。
コアスタビリティの重要性
腰痛の人ほど、筋肉の収縮速度に遅延が起きています。それは、上記で述べたマッスルインバランスが起きているからです。
腰痛の状態は、体幹が通常より不安定な場合が多いです。
そのため、体幹を安定させるためにもコアスタビリティという概念を基に筋トレを行うことは非常に重要となっています。
コアスタビリティと腰痛
腰痛によって、低下した骨格・筋肉・神経等の機能が低下している場合には、
モーターコントロール・アプローチが主流になっています。
モーターコントロール・アプローチとは、腰痛によって低下している機能をできる限り元の状態に近づけるための治療法です。
これは、インナーマッスルとして存在する体幹深部筋の筋肉トレーニングです。
インナーマッスルは、上部が横隔膜で下部が骨盤底筋群、腹部の周囲を囲むように腹横筋と多裂筋があります。このインナーマッスルは日常やスポーツで行うときの全ての動作に関与しています。手を上げたり伸ばしたりといった動作時にも、働いているのがインナーマッスルです。
しかし、一般的に腰痛を持っているとこのインナーマッスルの活動頻度が少ない又遅くなっています。
インナーマッスルを鍛えることで、動作に先行して必要な筋肉の力を底上げすることができ腰痛の軽減につなげることができます。
コアスタビリティを用いた筋トレで得られること
日本整形外科学会および日本腰痛学会で策定された腰痛診療ガイドライン2012年へ腰痛発症から4週間未満を急性腰痛、4週間以上3ヶ月未満を亜急性腰痛、3ヶ月以上を慢性腰痛と分類されています。
その中で急性でも慢性期の腰痛でも筋肉トレーニングは治療方法に必要と推奨されています。特に、非特異的腰痛が多いといわれています。
実際に、腰痛持ちでも適切な筋肉トレーニングを行うと、姿勢アライメントの改善や筋肉の発揮力向上、筋持久力向上が得られるといわれています。
👉腰痛予防におすすめの筋トレ、プランクとは?正しいやり方を一挙紹介! |
コアスタビリティに関わる筋肉
関わっている筋肉は、腹横筋・横隔膜・多裂筋・骨盤底筋群です。
コアスタビリティトレーニングで真っ先にイメージするのは、腹直筋と考える人が多いと思います。腹直筋はいわば見せ筋のようなものであり鍛えることで割れたお腹を作ることができます。
しかし、腹直筋の軸安定の根底にあるのは、腹横筋・横隔膜・多裂筋・骨盤底筋群となっています。
これらは、腰痛改善の他に内蔵の機能サポートや姿勢改善に重要な筋肉となっています。
各筋肉の特徴
横隔膜
息を吸った(横隔膜が縮んだ状態)時に下方へ下がり、息を吐くときに上方へ上がっていきます。
腹横筋
内臓の位置を正常の位置に保持させることや腹部の内圧をコントロールすることができます。また、各動作時の姿勢保持にも関与しているといわれています。そのため、動作を行う上で必要不可欠な筋肉です。
多裂筋
脊柱起立筋の補助筋として働いています。背中の各骨の配列をキープしています。
骨盤底筋群
この筋肉は、縁の下の力持ちともいわれています。
息を吸うと下がり(下がると緩みます)、吐くときに、力が発揮され上方へ上がっていきます。
骨盤底筋群も、姿勢や骨盤の安定に関与しています。
コアスタビリティの筋肉トレーニング
レベル1
プランク
うつ伏せの状態から両腕と両足の4点で体幹を支えます。できるだけ背中が真っ直ぐになるように姿勢を正します。できたら、20秒キープを行ってみましょう。
可能であれば、徐々に保持する時間を長くしていきます。
サイドブリッジ
横向きになり、肘から下の腕と足の外側で横向きの姿勢を保っていきます。
肘はできるだけ方の真下に位置させるようにしましょう。
バックブリッジ
仰向けの状態から両肩と両かかとの4点で体を支持するように骨盤を上方へ引き上げます。上げたときには、両膝が90度曲がるぐらいの位置で保持していきます。
レベル2
スクワット
下半身を鍛えながら、お腹を意識しながらトレーニングしていきます。
膝が足先より前へ出ないように意識し、お尻を体幹の後ろへ突き出すように
イメージして運動を行っていきます。
腕立て
両腕を鍛えながら、お腹を意識しています。
キツくなりすぎると継続してトレーニングを行えないので、お腹にある程度力が入る角度を確認しながら行いましょう。
レベル3
各種筋トレ
このレベルになると、どんな運動も行ってもいいですが常にお腹の筋肉を働いていることを
イメージしながら筋トレを行っていきましょう。
そうすることで、腰への負担を最小限にしながら四肢の筋トレを行うことができます。
参考文献
・マッスルインバランスに対する評価と理学療法
理学療法科学/22 巻 (2007) 3 号/書誌
・非特異的腰痛に対する運動療法-マッスルインバランスの考え方を中心に-
理学療法 2011年11月号 メディカルプレス
・コアスタビリティトレーニング再考-高齢者の健康維持への活用の観点から-
理学療法 2017年 34巻10号 | メディカルプレス
・腰部・体幹障害予防とアスレティックトレーニング
日本アスレティックトレーニング学会誌/5 巻 (2019) 1 号/書誌
・腰痛診療ガイドライン2012年
日本整形外科学会 (著)
参考:All About