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今回はオリンピックドクターも務めた、整形外科医で早稲田大学スポーツ科学学術院教授の金岡恒治(かねおかこうじ)先生に、スポーツにおける腰痛の原因と、その対処・予防法についてお話を伺いました。

サッカーによる腰痛

サッカーのキック動作で特に後ろに振り上げた時に腰が痛いのであれば、腰を反ってしまっている可能性があります。この場合、股関節の伸展可動性を高めなくてはなりません。

また、そのタイミングで腹筋がうまく働いていない場合も、腰を反り過ぎてしまい、腰痛になってしまうことがあります。この場合、腹筋に力を入れながら足を振り上げる必要があります。

キック動作のどのタイミングで痛みが出るのかで原因が異なりますので原因を見極めることが重要です。

バスケットボールによる腰痛

バスケットボールの運動中には、膝を曲げて中腰になった姿勢をとることが多いと思います。
そのような中腰の姿勢を取るときに骨盤が前傾姿勢になってないまま動作することによって、椎間板への負荷が増えてしまって、椎間板の痛みを起こすことがあると思います。

特にジャンプの着地のときに骨盤が後傾したまま着地をすると椎間板への負荷が増えてしまって椎間板障害を起こしやすいので、プレー中あるいはジャンプ到着のときにはしっかりと骨盤が前傾できるような姿勢をとることが大事だと思います。

骨盤の前傾を保つためには、以下のような能力を高めるようなエクササイズを行いましょう。

  • ハムストリングスの柔軟性を高める
  • 体幹の安定性を高める

バスケットボールでの腰痛の原因として、ディフェンスポジションの不良による腰痛があります。股関節と膝関節、足関節がバランス良く曲げられないと腰部に負担がかかります。

特に股関節の屈曲角度が少ない選手が多いですから、股関節の屈曲角度を増やした良いポジションで構えることが腰痛改善につながります。

バレーボールの動作で出る腰痛の原因とは

スパイク時

まずスパイクの際、腰を反ったタイミングで痛みが出る場合、上肢を後ろに引いた際に体を反りすぎであることが考えられます。この場合、股関節や胸椎の伸展可動性が足りないか、腹筋がうまく使えていない可能性があります。

ジャンプ(着地時)

ジャンプの着地のときに痛い場合、椎間板にストレスが加わっていることが多いです。骨盤が後傾し、脊椎を立てながら着地してしまうと、衝撃を吸収できずに腰に負担がかかって、椎間板にストレスが加わります。これは、タッチネットのルールがあるバレーボール選手に多くみられる動きです。この場合、膝と股関節を使って着地する練習が必要になります。

バレーボールをする場合、テーピングによる腰痛の予防・緩和の効果はあまり期待できません。

ゴルフによる腰痛の原因

「スイングのひねる動作の中では、背中の筋肉(脊柱起立筋)が沢山使われます。
 脊柱起立筋の使いすぎにより、筋肉から来る筋筋膜性腰痛や、脊柱起立筋の付着部障害が起こることが非常に多いです。
 また、体をひねる際に腰の後ろにある椎間関節に負荷が加わり続け、腰痛が発症することもあります。

 筋肉の痛みと関節の痛みは両方同時に出ることも多いため、どちらから来ているか、丁寧に診察し確認する必要があります。」

ランニングによる腰痛

「人間は走る際、色々な筋肉を働かせて骨盤を安定させています。走る距離が長くなると、だんだんと体幹を支える筋肉の持久力が落ちてきて、筋力が落ちてしまいます。すると、グローバル筋(特に脊柱起立筋)への負担が増え、脊柱起立筋の筋筋膜性腰痛、あるいは脊柱起立筋と腸骨の付着部の痛みが生じることがあります。
他にも、体幹を安定させるためにグローバル筋の中の外腹斜筋や内腹斜筋が沢山使われ、疲労が貯まることによって;、「さしこみ」という脇腹の痛みを起こすこともあります。

痛みが出る理由の一つは、自分の持ってる持久力以上の負担をかけていること。つまり、走りすぎです。
持久力を高めるための運動として、走るだけではなく、走る割合を減らして少しバイクや水泳の量を増やしたほうが良いかもしれませんね。」

自転車による腰痛の原因

「自転車による腰痛は、自転車を漕ぐときのポジションに影響されている可能性があります。
 前かがみの姿勢を支えるために、脊柱起立筋には大きな負担がかかります。
 あまりにも負担がかかると、脊柱起立筋から来る筋筋膜性腰痛や筋付着部障害が出ることがあります
 痛みが出やすい姿勢を避け、良いポジションを探す努力を行いましょう。」

ランニングによって腰痛が起きる原因

走ることで腰の痛みが出るという原因の一つとして、ランニングする時にはジャンプと片足着地の動作を繰り返すことによって起こります。

片足で地面に着地する時には骨盤に強い外乱と言って骨盤の動きを起こすような力が加わってその力に打ち勝って骨盤を地面に対して水平に地面に対して同じ位置に保ちながら走ることが求められます。

駅伝の選手の走りなどを思い浮かべてみてくださいほとんど骨盤の位置が変わらずに走っていますよね。

そのように骨盤の位置を変えないずその姿勢を保つためには、
着地の瞬間には腹筋、特に内腹斜筋が活動して、片足で着地している時、特に左足で地面に強い衝撃が加わるような着地をした時には、右の脊柱起立筋や右の腰方形筋に強い収縮が働いて、その力によって骨盤が安定しています。

逆に言うとそのように安定させるためには脊柱起立筋に負担が変わり続けるのでたくさん走ると脊柱起立筋からくる筋・筋膜性腰痛やあるいは筋の付着部障害を起こすことがあります。

まとめ

いかがだったでしょうか?今回は各スポーツの腰痛の原因にについて解説しました。スポーツが原因の腰痛で悩んでいる方は、各スポーツの原因をチェックしてみてください。
腰痛で悩んでいる方は、整形外科を受診して、医師に相談してみましょう。また、リハビリテーションを受けることで、ストレッチや筋力トレーニングなどの運動療法や腰痛体操、筋膜リリースなどを学びましょう。

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著者情報

金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD
金岡 恒治(かねおか・こうじ)MD,PhD

早稲田大学スポーツ科学学術院教授

日本整形外科学会専門医・脊椎脊髄病医

日本スポーツ協会認定スポーツドクター

日本水泳連盟理事・医事委員長 ほか

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