腰痛がひどいけど、料理や洗濯とやることはいっぱい・・・
早めに対策し、毎日の家事を楽しいものにしましょう
腰痛がひどくて起き上がるのもつらい・・・
でも毎日しなければいけない「家事」
そんな状況に悩んでいませんか?
家事は、腰に負担がかかりやすい作業です。
それでも腰痛に耐えながら、家事を頑張っている方も多いかと思います。
しかし、腰痛がひどくて家事も満足にいかず、さらには家族にも迷惑をかけるとなるとつらいですよね。
そこで今回は、「腰痛がひどく、家事をするのがつらい方」に向けて、原因や対策についてご紹介します。
腰痛の原因を正しく理解し、痛みから解放された楽しい生活を手に入れましょう。
目次
家事で腰痛になる原因とは?
家事は、腰に負担をかける重労働のひとつとされています。
以下のような家事を行う時、どのような姿勢になることが多いでしょうか。
・料理をする
・掃除機をかける
・アイロンをかける
・物をかたづける
・洗濯をする
・買い物をする
中腰になったり、しゃがんだり、立ちどおしだったりと、腰に負担をかけやすい姿勢です。
腰に悪い姿勢を習慣的に行っていると、腰への負担がさらに増大し、腰痛につながります。
腰痛予防の基本!良い姿勢と悪い姿勢
家事で、腰痛になりやすいといっても、腰痛予防の基本は、普段から正しい姿勢をとることです。
立つときの正しい姿勢は、直立不動に近いものと誤解している人がいます。
しかし、背筋を伸ばすことばかり意識して、胸や腰を反らせてお尻を突き出した姿勢は、腰にとって良い姿勢ではありません。
また、他にも、背中を丸めた姿勢も腰に悪い姿勢であり、これらは腰にかかる負担が大きいです。
このような悪い姿勢を長時間とり続けることは、腰痛を起こす原因となります。
悪い姿勢が腰痛につながるのは、腰椎カーブの増強が原因です。
腰椎は、おなか側へゆるやかなカーブを描くように並んでいます。
しかし、腰椎の曲がり具合が強すぎると、椎間関節や椎間板に負担がかかり、炎症や変形を招き、腰痛を引き起こします。
つまり、腰痛の予防では、この腰椎の曲がり具合を強くしすぎないことが重要です。
家事を行う姿勢に限らず、常日頃から「腰椎の曲がりすぎ」には注意しましょう。
腰痛と家事、これから工夫できること
つらい腰痛に悩む一方で、毎日しなければいけない家事。
何とかしたいですよね。
そこで、腰痛と家事の負担を少しでも軽くする工夫をご紹介します。
いくつか取り入れて、腰痛で悩まない無理のない生活を始めましょう。
腰の負担が少ない動きで家事をおこなう
〈床掃除〉
たとえば、床掃除の場合、ひざをついて、四つん這いになる姿勢やしゃがんだ姿勢で行うのは、腰に負担をかけます。
モップや掃除機を使うことをお勧めしますが、足を動かさずに手だけでノズルを動かしていると、腰を痛めてしまいます。
そこで、コツは掃除機やモップを使う際に、足を前後に軽く開き、用具を動かすと同時に身体も動かすことです。
また、かがむ時は、必ずひざも曲げるようにしましょう。
この動作により、腰への負担を軽くすることができます。
〈アイロンがけ〉
同様にアイロンがけも、座って低いアイロン台でおこなうより、テーブルの上などに台を置き、立った姿勢でおこなう方が腰に負担をかけません。
この場合も、コツとしてアイロンの動きに合わせて、左右前後に上体と足を動かすようにしましょう。
〈台所仕事〉
台所仕事は、立ち時間が長くなり腰に負担がかかりがちです。
その場合は、作業をしながらでも片足を低い台にのせておくと、腰への負担が軽くなります。
15~20センチぐらいの台がちょうどよいと言われていますので、試してみましょう。
また、調理台や流し台の高さも腰への負担を軽くする上で重要です。
調理台が低ければ、まな板の下になにかを敷いて作業したり、台が高ければ足の下に台を用意したりして、自分に合った高さに調節しましょう。
〈洗濯物干し〉
低い位置にかごを置くと、何回もかがまなければならず腰によくありません。
洗濯かごを、物干しとの距離が近くなるように高い場所に置くようにしましょう。
最新家電を導入する
技術の発展により、これまで人間がしてきた作業を機械が代わりにおこなうことも増えてきました。
家事においても、自動家電が助けてくれます。
コストはかかってしまいますが、腰痛は長引くことも多いため、長期間でのコストパフォーマンスも考慮し、ぜひ導入を検討してみましょう。
〈床掃除〉
・ロボット掃除機
電源を入れて放っておけば、部屋の床を勝手に掃除してくれます。
部屋の隅々まで掃除してくれるか心配ですが、最新の人工知能を搭載したモデルでは、部屋の間取りや大きさを把握し、どこにゴミが多いか感知しながら賢く丁寧に掃除してくれます。
〈台所仕事〉
・自動調理器
材料と調味料さえ入れれば後は自動で調理してくれるため、台所に長時間立つ必要もありません。
火加減の難しい煮物や、常に混ぜないと焦げ付きやすいカレーやシチューなども、放っておくだけでとても美味しく作ってくれます。
・食洗器
食器洗いは、意外と時間がかかる厄介な家事です。
大人2人分の量の食器や調理器具を洗うのに、10分~15分の時間がかかります。
食洗器は洗い物を機械の中に入れるだけで、自動で洗い、乾燥までしてくれます。
〈洗濯〉
・乾燥機付き洗濯機
乾燥機付き洗濯機であれば、洗濯物を干す・取り込む作業がなくなり、洗濯から乾燥まですべて自動でおこないます。
特に洗濯物を干す作業は、しゃがむ動作も多かったため、腰への負担軽減にかなり役立つでしょう。
家事代行サービス
腰に負担のかかる家事は、家事代行サービスにお願いするという方法です。
「家政婦さんにお願いするなんて、裕福な家庭でないと利用できない」イメージを持たれるかもしれません。
しかし、現在は家事代行の需要も高まり、料金の低価格化も進んできています。
また、毎週来てもらうのではなく、隔週や月一回でお願いしてコストを抑える手もありでしょう。
筋トレ、ストレッチ、マッサージなどのケアや薬による治療
マッサージは、皮膚をさすることで筋肉の緊張をほぐし、血液やリンパ液などの循環をよくすることで腰痛をやわらげる効果があります。体幹の筋トレーニングやストレッチは腰痛体操として活用でき、セルフケアとしては最適です。
また、ドラッグストアで市販されている腰痛に効く薬を試してみる方法もあります。
消炎鎮痛剤のような内服薬や、張り薬、塗り薬のような外用薬が市販されています。
ただし、薬は痛みをやわらげるために有効ですが、効果があらわれないようであれば、服用を中止し、早めに病院へ行きましょう。
またその他にも、腰痛以外の気になる症状がある、または痛みが強いままで1週間たってもおさまらない場合なども、病院で一度みてもらうのがいいでしょう。
まとめ
今回は、腰痛がひどくて家事がままならない方に向けて、原因と対策をご紹介しました。
腰痛を我慢しながら、毎日家事をおこなう生活は大変ですよね。また慢性腰痛になると、自律神経失調症を生じ、睡眠不足や生活活動への支障など、多くの活動に制限が出てきてしまいます。長期的な腰痛で悩んでいる方は、整形外科を受診して医師の診断を受けるようにしましょう。
本日ご紹介した、家事をおこなう正しい姿勢、自動家電や家事代行サービスなど、さまざま取り入れ、腰痛で悩まされない生活を手に入れましょう。
参考
日本整形外科学会
参考文献
青木虎吉 監修 1985年「図解[腰痛の治し方]」主婦の友社
藤巻悦夫 監修 2000年「よく効く腰痛治療全ガイド」主婦と生活社
黒田栄史 監修 1999年「家庭でできる腰痛の原因と治し方」西東社