ある日、低いテーブルで3歳の子どもと一緒に宿題をやっていて、上半身を左にひねったぎっくり腰がきました。
これまでぎっくり腰どころか、腰痛に悩まされることはほとんどなく、このサイト(YO-TSU MEDIA)の運営に携わっていて、腰に関する専門的な知識もあったため、「まさか自分が…」と思いました。
ですが、これまで学んだ知識を活かして対策したところ、ぎっくり腰が起こってから5分後には子どもを抱っこできるようになるまで回復しました。
一般的に、ぎっくり腰が直るまでの期間は1週間~2週間。即効で治せたのは腰痛に関する知識があったからだと思います。
ここでは、ぎっくり腰になったとき、私がやった治し方についてお話します。
※ここで言う治すとは、完治ではなく痛みがなくなるという意味です。
目次
ぎっくり腰になった経緯
一般的には、くしゃみをしたときや重い物を持ち上げたときなどがぎっくり腰のきっかけになると思いますが、私の場合はそんな分かりやすさはありませんでした。
ぎっくり腰になった経緯については、冒頭部分でも説明したように、背の低いテーブルで30分ほど座り続けている姿勢から、上半身を左にひねったときです。テーブルはこんな感じです。
3歳の子どもの宿題を一緒にやっていたこともあり、無意識のうちに猫背になっていたのかもしれません。
そんな状態からいきなり腰に負荷のかかることをして、ビキッとなったのでしょう。
それ以前から腰、L4~L5くらい(直立になって大体下腹部くらいの高さ)に熱い感じがあり、それがいきなり爆発したように感じました。
この時、痛みのあまり動けなくなっていたのですが、子どもは無邪気に「次は?」と言ってきたので、「ちょっと待って」というやり取りしたのを覚えています。
ぎっくり腰になる前に感じた前兆
ぎっくり腰になる10日前、4回目のコロナワクチンを打った後、37度くらいの熱を出しました。その際、腰が少し熱い感じがしました。
直接的な原因かどうかは断定できませんが、もしかしたらワクチンによる発熱が関係しているかもしれません。
痛みを即効で軽減するためにやったこと
ぎっくり腰が起こってから、5分後に子どもを抱っこしていたと話しましたが、3分くらいは結構痛かったです。
痛みの強さを10段階評価で言うと、大体8くらいの痛みでした。動けないくらいの痛みという感じでしょうか。
一度痛みが引いてからは、多少違和感があるくらいで、行動することにほとんど支障はない程度の痛みになりました。
具体的にどのような対策をしていたのかを紹介します。
痛みが発生しない姿勢や力の入れ方を探った
私がやったことは、痛みが発生しない姿勢や力の入れ方を探ったことです。
最初、四つ這いから動けなかったので、腹横筋(腹筋の奥にある筋肉)や骨盤底筋群(骨盤の底にある筋肉)など、腰周りの筋肉を意識して体を動かしてみました。
腹横筋はコルセットのような役割をしている筋肉ですし、骨盤底筋群には体幹を安定させる役割があります。
どうやって筋肉を動かしたら痛みがなくなるのかを探りつつ、体幹を安定させるように努めていると、すぐに痛みが緩和されたのです。
捻る・かがむ・反るといった動作は怖くてできませんでした。
腰に負荷をかけないようにした
腰に対して、できるだけ負荷をかけないようにしました。
体幹の安定を意識して、なるべく正しい姿勢でいられるようにしたり、長時間同じ姿勢で居続けないように気を付けました。
ぎっくり腰がぶり返した…
最初のぎっくり腰が起こって2日後
アンダースローで投球していたら、またやってしまいました…。
最初の3球は軽く投げていて、4球目に思いっきり投げた瞬間に、またぎっくり腰に。
ぎっくり腰になったことは忘れていなかったのですが、痛みがなかったから調子に乗ってしまったと後悔しました。
痛みの強さは最初にぎっくり腰になったくらい(10段階で8くらい)でした。治るまでにかかった時間も同じくらいで、3分くらい。
その後も違和感程度の痛みに治まりました。
このときに行った対策
このときも、とにかく体幹の安定を意識して行動していました。姿勢を正したり、定期的に骨盤を少し動かすように意識しました。
さらに2日後
ぎっくり腰を起こしてから4日後、またやってしまいました。対症療法しかしてなかったのに痛みがなくなったことで、また油断してしまいました…。
最初の時と同じように、低い机で子どもと1時間くらいパズルをした後、ちょっと動いた瞬間にビキッときました。
今までで一番痛みが強く、10段階で言うと9くらい。痛みのあまり汗が止まらなくなりました。今回は3分で痛みが引くことはなく、5分程度かかりました。それでも即効で治まったのは良かったです。
今までは違和感くらいまで痛みが治まっていたのですが、この時は腰に負担をかけすぎていたのかもしれません。その日は10段階中3くらいの痛みから和らぐことはありませんでした。
炎症範囲が広がったような感じがしました。イメージとしてはいきなり熱くなるような感じ。過去の2回よりも痛みの範囲が広がりました。痛みが発生しない動きや姿勢をしているだけでまだ身体は治している途中だったということですね。
根本的な腰痛原因を解決しないとな、という気持ちになりました。
痛みがなくなっているだけで炎症は残っている
痛みはなくなっていても、ぎっくり腰を起こした部分の炎症は治っている訳ではありません。
内部で炎症が続いているにもかかわらず、腰に負担をかけるようなことをすると、再度強い痛みを感じてしまいます。
炎症が治まるまでにかかる期間は、個人差はありますが基本的に2~3週間程度。
私は痛みがなくなって油断してしまいましたが、本来であればぎっくり腰になってから2~3日は安静にして、その後は無理しない範囲で日常生活を送るのが良いと言われています。
どのくらいで良くなるのか、どのくらい炎症がひどいのかに関しては個人差があるので、大したことないと思っていても、念のため診察を受けることをおすすめします。
痛みが発生する動作や痛む場所
痛みが起こる動作
基本的に、痛みは違和感程度まで収まってくれたのですが、以下のような動作をする時に痛みが起こりました。
・靴下を履く
・下着を履く
・寒くて体をかがめる
・寝返りをうつ
・トイレで拭く
・子どもの本読み
・子どもの歯磨き
・子どもが散らかした靴下を拾う
・子どもを自転車に乗せる など
腰を使った動作をすると、少し痛みが走ることがありました。
ぎっくり腰で痛くないときはそこまで気にならなかったのですが、腰が痛いときに靴下を散らかされると、ちょっと腹が立ちました。
また、自転車をこぐときに痛むことがあったので、なるべく痛まないようにしていたら、競輪選手みたいな乗り方になっていました。
痛みの場所
痛みのある場所はL4~L5くらい、まっすぐな姿勢になって大体下腹部の真後ろくらいです。
この場所に痛みが発生するのは、椎間板性腰痛か椎間関節性腰痛なので、それだと思いました。また、足のしびれはなかったのでヘルニアの可能性はなかったと思います。
ぎっくり腰になったときの対処法
ぎっくり腰の要因は複数考えられますが、痛みが発生している根本的な部分を特定し改善をすることが大事です。とはいえ、痛みが強いときは難しいので、まずは治まることを待つことや、対処しましょう。
私はモーターコントロール改善(筋肉の使い方を改善する)によって体幹を安定させました。それだけで即効痛みが緩和されました。
2日~3日は安静にする
痛みが強いとき、発症から大体2~3日は安静にしてください。私の場合はモーターコントロールの改善によって、即効で痛みが緩和されましたが、基本的には安静にした方が良いです。
痛みが治まってきて動けるようになったら動くようにしましょう。長いこと安静にすると腰回りの筋肉が衰えて、回復が遅くなることがあります。
とはいえ、無理してしまうと逆効果になってしまうことがあります。痛みが落ち着いてきたときに、少しずつ動く機会を増やすようにしましょう。
私の場合、痛み自体はそんなになかったのですが、アンダースローで強めの投球をしたり、小さい机に向かって長時間座ったりすることで、ぎっくり腰が再発してしまいました。
痛み止めを飲む
痛みが強いときは痛み止めを飲むこともよいです。
体質によって合う合わないはあるものの、ぎっくり腰にはロキソニンが良いと言われています。ロキソニンには鎮痛効果はもちろん、抗炎症薬でもあるからです。
効果を感じられるまでは大体30分前後なので、即効性に期待できます(個人差があります)。
腰痛の時に鎮痛剤は飲みますか?正しい知識を取り入れて薬について理解を深めよう
ただ、私の場合、痛み止めは飲みませんでした。飲まなかった理由は2つ。
単純に3分で収まったから飲む必要がなかったという理由、もう一つはどの動作で痛みが発生するかを知る必要があったからです。
痛みというのは本来、ない方が良いものですが、原因を探る上では重要な役割を担ってくれるものです。
痛みがあったからこそ、どう動いたら痛むのかを探ることができました。
冷やすor温める
ぎっくり腰の痛みは炎症によるものが多いため、冷やすことが推奨されます。
炎症によるものではなく、筋肉が痛みの原因である場合、温めることで痛みが和らぐこともあります。温めると固まった筋肉をほぐしてくれるからです。
温めるか冷やすかは、基本的に楽になる方を採用すると良いと言われています。痛みが強くならなければ両方やってもいいかなと思います。
私の場合、冷やす・温めるはやりませんでした。
冷やしてもよかったのかもしれませんが、私の場合はすぐ痛みが取れたのと、痛みの場所がピンポイントで、椎間板や椎間関節付近だったからです。
また、痛みの原因が筋肉ではないので、温めても効果ないかなと思いました。
腰の冷やすときは氷のうや保冷材を使う
腰を冷やすときによく使われているのは氷のうです。他にも、水や氷で濡らしたタオル、保冷材などを使います。
うつ伏せの状態になり、腰の上において患部を冷やしましょう。
気温が低いときは、室内の温度を上げて体を冷やしてしまわないように工夫してください。
温めるときは湯船やホッカイロなどを使う
腰を温めるには、ホッカイロや電気毛布などを使いましょう。
温める場合、ピンポイントで温めるだけでなく、湯船に浸かって全身を温めるのも効果的です。
ただし、痛みが強くなる場合はすぐに中断してください。
アルコールを控える
ぎっくり腰に限らず、炎症が起こっているところがあるときにアルコールを飲むのは良くありません。
アルコールを飲むと血行が良くなって、痛みの物質がたくさん流れてしまい、さらに痛みが強くなってしまう可能性があるからです。
ぎっくり腰の痛みが気になる時期は、アルコールは控えた方が良いです。
コルセットを装着する
コルセットは動ける範囲を制限することによって、腰への負担を和らげ、痛みの発生を防いでくれます。
私の場合、コルセットはなかったのであきらめました。そこまで強い痛みでもありませんでしたし。
とはいえ、普段から体幹を意識して生活しているわけでもなく、安定させようと思っても60%くらいしかできている気がしなかったので、できればコルセットは欲しかったです。
実際、体幹を安定させることで痛みが治まることが分かったので、コルセットを付けてみたいと思いました。
炎症がひいてきたらマッサージをしてもOK
炎症(熱感)が強いときは、マッサージでその場所を触ることは避けたほうがよいでしょう。周囲の筋肉をほぐすため、もしくは炎症が引いてきたらマッサージをしてもOKです。
ただ、痛みが強くなる場合も多いので、ぎっくり腰から3日間はマッサージを控えた方がよいです。
整形外科で診てもらう
・脚にしびれがある
・熱が出た
・2~3日経っても痛みが引かない
上記に当てはまる場合は、整形外科で診察を受けることをおすすめします。
正しく対処しないとなかなか治らなかったリ、悪化してしまうことがあります。
治療に必要なこと
原因の特定
そもそも、ぎっくり腰というのは急性期の腰痛の総称で、色々な原因があり、原因に合わせて治療する必要があります。
ぎっくり腰に考えられる原因はこんなものがあります。
・腰椎椎間板ヘルニア
・腰椎脊柱管狭窄症
・仙腸関節性腰痛
・筋筋膜性腰痛 など
軽度の腰椎脊柱管狭窄症であれば、リハビリや神経ブロック、脊髄の神経の血行を良くする薬を使うなどによって、症状改善を目指します。
仙腸関節性腰痛や腰椎椎間板ヘルニアは、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬などで痛みを一時的に抑え、回復を待つ対処療法が多いです。
原因によって対処法も違うので、しっかり治すためにも原因の特定を行ってください。
また、どこの筋肉が使えなくて、どのように腰に負担がいっているのかなどを探る必要があります。
ただ、ぎっくり腰になったばかりで、痛みが強いときに原因を特定するのは難しいので、痛みが軽減したときに改めて診断を受けることをおすすめします。
腰に負担のかかる姿勢を探る
ぎっくり腰を治すうえで、どの部分に負荷をかけると痛みがあるのかを探ることは効果的です。
痛みが軽減する姿勢・痛みが強くなる姿勢を知ることで、腰にかかる負荷を軽減できるからです。また、ぎっくり腰の悪化の予防・改善できるようにもなります。
詳しく分析する必要はあるものの、痛みが強くなる姿勢から、どこの筋肉や骨に原因があるのかもわかります。
楽になるのはもちろん、しっかり治すためにも、痛みを感じる姿勢を探ることは大切なのです。
姿勢の改善や筋肉をほぐす
腰への負荷を極力抑えて生活することで、炎症自体は収まっていきますが、完全に治すためには根本的な部分を改善していく必要があります。
・姿勢の改善
・腰に負担のかからない筋肉の動かし方
・腰及び腰周辺の筋肉の柔軟性の改善 など
無理をしない程度に抑える必要はありますが、ストレッチでほぐすのも効果的です。
ぎっくり腰に効果的なストレッチ
痛みが和らぐのであれば、ストレッチはやったほうがいいです。
ただし、腸腰筋やハムストリングスの硬さにより腰への負担が大きい場合も多く、痛みが出ない範囲でストレッチをするのがオススメです。反ったり、かがんだり、ひねったりなど、どの動作で痛みが出るかは原因によって異なります。
また、コルセットを装着した状態で、なるべく動くようにするのも効果的です。早く治すためにも、ジッとしているよりは無理のない範囲で動いた方が回復は早いからです。
とはいえ、ぎっくり腰を起こしてから3日は安静にしてくださいね(痛みの度合いにもよりますが)。
ぎっくり腰の予防
ぎっくり腰の痛み自体は、1週間~2週間で軽減します。しかし、痛みが軽くなったからといって、今までと同じように生活すると、再発してしまうことがあります。
再発しないよう、次の予防をしましょう。
腰周辺のストレッチをする
ストレッチは、ぎっくり腰を治すためにも効果があると言われているのに加えて、予防効果も期待できます。
やり方は上で説明したように、腰周辺や股関節、ハムストリング(太ももの裏)の部分をストレッチしてください。
普段運動しない人はウォーキングがおすすめ!
ウォーキングであれば負荷も軽く、普段あまり運動をしない人でも始めやすいです。
忙しい人、体力に自信のない人は、まず1日10分からやってみてください。
正しい姿勢を意識する
立っているとき、座っているとき、寝ているとき、悪い姿勢は腰に負担をかけてしまいます。
悪い姿勢は、日々腰に負担をかけ続けているのと同じです。
とはいえ、姿勢というのは無意識に悪くなっているため、正しい姿勢に矯正するには、時間がかかると思っていてください。
正しい姿勢のポイントを簡単にまとめておきます。
正しい座り方のポイント
座っているときは首と背骨を真っすぐに伸ばし、足の裏を床に付けることです。まずはこの2点を意識して座ってください。
それから、腹筋に軽く力を入れ、あごを引くようにするように意識してください。股関節よりも膝が少し高い位置に来るような高さに調整すると座りやすくなります。
正しい立ち方のポイント
首と背筋を真っすぐに伸ばすように意識するのがポイントです。
片足だけに体重をかけないよう、両足に力が入っているのをしっかり意識してください。
胸を基準として、あごや下腹が前に出ないように気を付けることで、前傾姿勢になったり、反ってしまうのを防げます。
立っているときも、軽くお腹に力を入れるように意識するのがポイントです。
正しい寝方のポイント
仰向け・横向け・うつ伏せと、寝方は大きく分けて3つあります。
この中で一番腰への負担が大きいのはうつ伏せです。うつ伏せは腰が反った状態になるので、腰に負担がかかってしまいます。
うつ伏せで寝る習慣のある人は、お腹の下にバスタオルや毛布を敷いてください。そうすることで、腰への負担を軽減できます。
負担が一番小さいのは横向きです。
両ひざをお腹に少し近づけるくらい、背中を丸めるのがポイントです。さらに、膝と膝の間に丸めたタオルやクッションを抱えるようにすると、より楽に眠れます。
仰向けで寝る場合、足を真っすぐ伸ばした状態で寝ると、腰が反って負荷がかかってしまう可能性があります。腰への負担を軽くするためには、膝を立てるのがポイントです。
曲げた膝の下にクッションを入れるようにすることで、楽に姿勢維持できます。
正しい姿勢に関して、詳しくは以下の記事でも紹介しているので、参考にしてください。
肥満の人はダイエットもおすすめ
肥満の人は体重の分腰にかかる負荷も大きくなってしまいます。また、お腹が出ている人は、腰が反った状態になってしまうため、腰に負担がかかります。
なので、体重を減らす努力をしましょう。ダイエットのコツはこんな感じです。
・運動する習慣をつける
・栄養バランスの取れた食生活をする
・定期的にストレスの解消をする
・寝る時間を確保する
・正しい姿勢を心掛ける など
ぎっくり腰の痛みが引いたばかりであれば、無理のない範囲でダイエットに挑戦してください。
まとめ
ぎっくり腰を経験してから、床から座った状態が続く、長時間椅子に座る、床から立ち上がる、寝返り、トイレでお尻をふく、靴下をはくなども怖くなりました。
また、ギュウギュウの電車でぶつかられてしまうかもしれない、抱っこしている子どもが暴れるというように、自分ではコントロールできないことに関しても強く恐怖を感じるようになりました。
以前のようにぎっくり腰の不安なく、自由に行動できるようになりたいので、今後は生活習慣を見直して、改善・予防に努めていきたいと思います。